中国古典小説研究会

イベントポスター

■2024年度関西例会■ 特別企画・公開シンポジウム

『中国古典小説のここが面白い!』第1回「研究者、推し作品を語る」

本企画は、堅苦しい研究発表ではなく、研究者が定められた時間内に自分の「推し」である中国古典小説(今回は明清白話長篇小説)の魅力を最大限にアピールし、聴衆のみなさんとも質疑応答を通じて推し作品への思いを共有する企画です。非会員の方、特に研究者ではない方も大歓迎の公開イベントです。対面とZoomを併用したハイブリッド形式で開催いたします。聴講無料ですので、ぜひご参加下さい。

プログラム

  • 12:30 開場・受付開始
  • 13:00-17:45 発表・質疑応答
  • 発表者
    13:00-14:15 趣旨説明/発表第1部
    上原徳子[立命館大学]:紅楼夢
    竹内真彦[龍谷大学]:三国志演義
    井口千雪[九州大学]:三国志演義
    14:25-15:25 発表第2部
    二階堂善弘[関西大学]:封神演義
    中塚亮[愛知淑徳大学等・非]:封神演義
    上原究一[東京大学]:西遊記
    15:35-16:35 発表第3部
    松浦智子[神奈川大学]:楊家将
    佐髙春音[大阪大学]:水滸伝
    小松謙[京都府立大学]:水滸伝と説唐全伝
    16:45-17:45 質疑応答
  • 18:00- 懇親会(場所:龍谷大学大宮学舎清和館2階)※非会員の方のご参加を歓迎いたします。有料。

■2024年度大会■

プログラム

10:00 開場

10:30-10:40 開会挨拶

研究発表

  1. 10:40-11:30  唐鈺[立命館大学非常勤講師] 六朝志怪小説と唐代伝奇小説での現実世界の人が冥界より戻るときに押される理由の違いについて

     六朝志怪小説と唐代伝奇小説に多くある冥界巡遊の話に、現実世界の人が異界の人に押されて冥界から現実世界に戻ったという描写が時折見られる。
    しかし、六朝志怪小説では現実世界の人の魂を体に合わせるために、異界の人が現実世界の人を押す。一方、唐代伝奇小説では現実世界の人を驚かせて起こさせるために、異界の人が現実世界の人を押す。この違いは、六朝(特に南北朝)志怪小説の作者は多く宗教信者であることに対し、唐代伝奇小説の作者は多く文人であることと関連すると考えられる。

  2. 11:30-12:20  李沫[京都府立大学文学研究科学術研究員]「『紅樓夢』甲辰本と先行抄本の関係 ――文章の揃っている箇所を中心に」

    『紅樓夢』は清代に書かれた白話小説である。最初は抄本の形で伝えられ、後に木活字本・程本が出版された。本発表では、現存抄本の中で最も古い甲戌本・己卯本・庚辰本と程本の前 80 回の底本であろうとされる甲辰本との関係を考察したい。
    先行研究では、甲辰本の底本は1甲戌本に近い、2己卯本・庚辰本に近い、甲戌本・己卯本・庚辰本と別系統の現存しないものである、という三つの見方がある。発表者は、先行研究を踏まえながら、四本の文章が揃っている箇所を中心に、その異同を分析し、甲辰本と以上の三本との関係を考察することにより、甲辰本の紅樓夢版本史における位置づけを検討したい。

12:20-14:00 昼休憩

14:00-14:30 総会

2024 年度大会企画 「三言二拍」研究の現状とその可能性について

14:30-16:30

コーディネーター
上原徳子[立命館大学]
発表者
廣澤裕介[南山大学・非]
笠見弥生[高崎経済大学]
千賀由佳[龍谷大学]
大賀晶子[京都府立大学・非]

この企画では「三言二拍」について、発表者はこれまでの研究史を振り返りながら、版本、来源、文化史的視点からの分析、さらには日本文学研究者による研究状況についてそれぞれ発表し、「三言二拍」 研究の意義とその可能性について考えていきたい。