中国古典小説研究会

■2019年度関東例会■

2020年3月22日に開催を予定しておりました2019年度関東例会は新型コロナウイルスによる肺炎の感染・蔓延防止の観点から、中止となりました。

■2019年度大会■

27日および28日には九州大学にて「“戲單、劇場與二十世紀上半葉的中國演劇”學術研討會」が開催されます。うち28日午後のプログラムは、本会大会との共同企画となっております。

「“戲單、劇場與二十世紀上半葉的中國演劇”學術研討會」(戯単シンポジウム)のプログラムはこちらをご参照下さい(PDF)。

  • 日時:2019年8月28・29日
  • 場所:九州大学伊都キャンパス 中央図書館 4 階きゅうとコモンズ
    • 【アクセス情報】
    • 博多駅、福岡空港、市内からのアクセス:http://suisin.jimu.kyushu-u.ac.jp/info/
    • キャンパスマップ
    • アクセス(九大学研都市駅より昭和バスで「九大中央図書館」下車) →昭和バス時刻表
    • 九大学研都市駅からは、昭和バス4番乗り場からご乗車いただき、「九大中央図書館」下車すぐ。

      1、2番乗り場からご乗車いただいても、やや遠回りしますが、「九大中央図書館」に止まります。

      3番乗り場からご乗車いただいた場合は、「九大ビッグオレンジ前」で下車して、徒歩3分です。

関連シンポジウム:“戲單、劇場與二十世紀上半葉的中國演劇”研討會

8月28日(水)午前:“戲單、劇場與二十世紀上半葉的中國演劇”研討會

●[午前]10:00~12:30

  1. 太田一昭[九州大学]  計量文体解析と戯曲の作者同定――The New Oxford Shakespeare: The Complete Worksを例に
  2. 久堀裕明[大阪市立大学]  人形浄瑠璃興行記録の整理状況――問題点と今後の展望
  3. 阿部泰紀[山口大学]  濱一衛先生“中國古典戲曲詞彙卡”中看到的詞彙解釋歷史
  4. 波多野眞矢 慶應義塾大学奥野信太郎旧蔵の戯単について
  5. 鈴木直子 早稲田大学演劇博物館所蔵の戯単について
  6. 中塚亮 名古屋大学附属図書館青木文庫所蔵の戯単について
  7. 中里見敬 九州大学附属図書館濱文庫所蔵の戯単について

[昼食]12:30~13:50 (各自、生協食堂で)

午後:“戲單、劇場與二十世紀上半葉的中國演劇”研討會・中国古典小説研究会 共同企画

●[午後]13:30~16:30

  1. 13:30~14:20  傅謹[中国戯曲学院戯曲研究所] 京劇研究与文献的新視野
  2. 14:20~14:30  「戯単・劇場と20世紀前半の中国演劇シンポジウム」閉幕式

  3. 14:50~15:30  馮超鴻[早稲田大学・院]  近世狐譚における耆婆と移狐樹――中国小説との関わりを視点として

    日本近世の狐譚を語る上で、『絵本三国妖婦伝』は欠かせない作品である。この中で、「天竺の名医耆婆(ぎば)が、狐妖が化した花陽夫人(かようふじん)の脈を診た際にその正体を看破し、そして移狐樹(やこじゅ)という木を用い、夫人の本性を暴露する」という話が記載されている。本発表は、『絵本三国妖婦伝』の耆婆と移狐樹の趣向に着目し、その形成について、中国小説の関与を挙げながら考察したい。まず『絵本三国妖婦伝』における耆婆と移狐樹の話型の原型を、『勧化白狐通』に求める。そして、『勧化白狐通』が中国小説集『狐媚叢談』、および『春秋列国志伝』を和訳した『通俗武王軍談』を参考にしたことを明らかにする。耆婆が狐妖の脈を診る趣向は、『狐媚叢談』から影響を受けて形成し、移狐樹による狐退治は、『狐媚叢談』および『通俗武王軍談』の枯木による狐退治の発想に由来すると指摘したい。

  4. 15:30~16:20  小松謙[京都府立大学] 『金瓶梅』成立考
  5. 16:20~16:30  共同企画 参加者自己紹介

★19:00~  ナイトクルーズ

2019年度中国古典小説研究会大会

8月29日(木) 午前

  1. 10:00~10:40  柴崎公美子[早稲田大学] 『羅通掃北』の十四回版と十六回版(『説唐小英雄伝』)について

    唐太宗の北方平定に際し英雄羅通が活躍する物語には、十四回版(『羅通掃北』)と十六回版(『説唐小英雄伝』)の2種類の小説の版本がある。前者は後者の第二、三回と第十、十一回とをそれぞれ一回分に合成したと考えられているが、本当に単純にそう言えるのか。本発表は、両者のテキストの異同を精査し、それぞれのテキストの特性と「合成」のされ方について述べたい。

  2. 10:40~11:20  岩崎華奈子[九州大学]  『封神演義』周之標序の検討

    明代の小説『封神演義』には李雲翔・褚人獲・周之標による計三種の序文が存在する。出版の経緯を語る李雲翔序や、清以降のほとんどの版本に掲載されている褚人獲序に比べ、周之標序はこれまで注目されることがなかった。しかし一部の版本が「封神演義原序」と題するなど、周之標序は『封神演義』の版本系統や成書過程の問題に関わる注意すべき序文であると考えられる。今発表では、発表者がこれまでに調査した周之標の事績に照らし『封神演義』序の執筆時期を推定するとともに、序文の読解を行う。周之標の為人を明らかにし、序文から彼の『封神演義』に対する認識や、想定した読者層などを読み取ることで、成書背景や受容の一端を示したい。

  3. 11:30~12:10  笠見弥生[高崎経済大学] 短編白話小説の「語り物らしさ」

    周知のとおり白話小説の語り口は、街中で行われていた語り物演芸を模したものである。短篇白話小説においても詩詞韻文の挿入、聴衆への呼びかけの場面など「語り物らしさ」の演出が見られるが、一方で『清平山堂話本』等のいわゆる「話本」と比較すると韻文の減少等一定の傾向が見られることが指摘されている。しかし、現代の文学作品において作者ごとに異なる文体の特徴が見出せるのと同様、短篇白話小説においても編纂者による違いがあるのではないか。本発表では、「三言」「二拍」を中心として、講釈師めいた語り口調や詩詞韻文の挿入といった「語り物らしさ」を演出する要素について比較を試み、それぞれの特徴について改めて考えてみたい。

★12:10~12:30  中国古典小説研究会総会

[昼食]12:30~13:50(イトリートで人数分予約)

午後:13:50~15:50

  1. 13:50~14:50  高津孝[鹿児島大学] 【特別講演】夷堅志と南宋社会
  2. 15:00~15:50  周文業[首都師範大学]  日本九州大学蔵朱鼎臣本和《三国演義》簡本志伝小系列演化